時間を尋ねるのは”Do you have the time?”か?

どうもみなさんこんにちは。被ブロック数がどんどん増えている田村です。先日、というかそれこそ昨日とか一昨日くらいのはなしで、Twitterでしばしば見かける「ネイティブはこういう言い方しない」言説をまた発見して(というかRTがTLに流れてきて)、それに反応して公式RT+エアリプ話法を使ったらどうやらRTされた人のツイートを見に来るタイプの方だったようで、やんややんや言われて誤解されてしまいにはブロックされるという事になってしまいました。

https://twitter.com/gaby6100/status/335355878083555329

Twitter / gaby6100: こないだ英語学校の日本人生徒が「what time is i … via kwout

ツイートの埋め込みコードが取れなかったのですがとりあえず貼り付け。僕はおおまかに言えば「日本人英語学習者の知ってる(使う)英語は実はネイティブは言わないんだ。ネイティブはこう言う」系の言説にこれもカテゴライズされると思ってます。

【疑問】”What’s your name?”は失礼か

っていうのを旧ブログに書いたこともありました。What’s your name?とかHow are you?を「これは言わない」と言うよりはDo you have the time?のこの件はそこまでひどくはないと思いますが、僕は自分だけの経験とか自分が今まで聞いたことがないっていうのを「一般的に」とかって広げるのってどうなのかなってちょっと思っています。その一般ってなんなのよってなりますし(この方は「(私の周りでは)一般的にという意味」と付け加えてくださりましたが)。言語教育者であるならば、”register”っていうものをもう少し考慮してもいいのではないでしょうか?言ってることは的外れではないですけどこういう↓「煽り」も僕は嫌いです。

使うと恥ずかしいフレーズ集|英会話、英語のエブリデイイングリッシュ(EE) 

“What time is it now?”は、英語として(文脈から切り取られた文の文法性判断という点では)間違った文ではないです。なにがおかしいかというのは、つまりこの文が、「時間を知りたくて時間を尋ねるときの質問としては不自然に聞こえる(けれど時間を知りたいんだなということは多分理解してもらえる)」ということです。

今日クラスメイト(アメリカ人)とカフェでこの話をして、”What time is it now?”を使うであろう具体的シチュエーションとして彼が挙げたのは以下の2つの場合。

  1. 一度時刻を尋ねて、その後少ししてからもう一度同じ人に時刻を尋ねるとき
  2. 話し相手と自分の間に時差があるとき(例えば日本とアメリカで電話してたとしたら、”What time is it now?”とnowを入れても不自然ではない)。

上記の場合は、「時刻を尋ねる」というものの中でもかなり限定されたシチュエーションになりますよね。そういうときは、nowがあってもいいということでしょう。逆に日本語では「今何時(ですか)?」が普通で、今(now)をなくして「何時(ですか)?」という場合は、「何の時刻を尋ねているのか?」という情報が不足していて聞かれた方は「今(ですか)?」と聞き返すことになるかもしれません。だからこそ”What time is it now?”とnow(今)を入れてしまうのかもしれません。しかしながら、そこに明らかに文脈があれば、「何時(ですか)?」だって間違いではありませんよね?例えば、

友達:明日の夜大宮で飲むけど来る?

僕:何時?

友達:19時に豆の木集合で!

僕:おっけー。

という会話での「何時?」はどうでしょう?僕は一応日本語母語話者としてacceptableでgrammaticalだと思います。他には、「何時集合?」「何時から?」「何時にどこ?」とかだともっと自分が求めている情報を限定するような聞き方になるのだと思います。

というわけで、話をもとに戻すと「ことば」っていうのはそれが日本語であれ英語であれ文脈が伴っているわけであって言い方が違うということは意味が違う、つまりは使われる文脈が違うということなわけです。そこへの言及なしに、「一般的にはこう言う」だとか、「ネイティブはこういう言い方はしない」というのは言語を教える者としての責任が果たせていないのではないかと思います(別に件の方は英語を教えているわけではないそうですが、英語話者ではありそうですしそういうバックグラウンドをもとに英語学習者の間違いを正すのであればこれは考えていただきたい問題であります)。ただし気をつけたいのはそれが学習者に過度の負担を与えるものではいけないということです。例えば、

【連載】jさんのおもしろ英語塾 (7) What time is it? だけが時間の尋ね方じゃない | ライフ | マイナビニュース

この記事中ではDo you have the time?の他にも様々な表現が紹介されています。ここまで細かく状況に応じて使い分けることができる(すべき)学習者はかなり上級であると思います。自分の表現の幅を広げたい人には有効かもしれませんが。

英語は世界で話されている系の言説やグローバルがどうのとかっていう話、つまり非英語母語話者間のコミュニケーションを考慮に入れた時に、”What time is it?”以外の表現をどこまで知っているべきなのかということもまた考えなければいけない問題です。そういった場合には、「通りやすい表現を選ぶ」という作業も必要だと思うからです。”Do you have the time?”は相手が時計を持っているかわからないときや道端で見知らぬ人に話しかけるときに使われる丁寧な表現だと言われますが、”Do you have the time?”がそのような場合に使われる時間を尋ねる表現であると知らない人には、「the timeってなんの時間なんだ?」と思われてしまうかもしれません。ではそのような人は英語の学習が至らないダメな人なのでしょうか?そんなことは絶対にないはずです。また、「普段あまり英語に触れる機会がない日本人が、英語で”Do you have the time?”と聞かれて答えられませんでした」みたいな話がもしあったとしたらそれが日本人の英語力不足だとか言う話になってしまうのかもしれませんが、”What time is it?”と言われたら時間が相手に伝えられて(言い方はともかく)、日本語が使えず英語でコミュニケーション取らざるを得ない相手に自分が時間を知りたいときに”What time is it?”って使えて時間を教えてもらえたのであればそれはそれでいいのではないかと思ってしまいます。誤解を招くといけないので一言断っておきますと、僕は「英語はコミュニケーションの道具なんだから伝われば文法や発音が間違っていてもいいのだ」という言説には賛成していません。語順を始めとする勘所はしっかりと抑えておかないとまずいですし、単語をただ羅列するだけのコミュニケーションと、”What time is it?” ”What time is it now?”  “Do you have the time?”の違いと言ったregisterの問題が生じるコミュニケーションはレベルが違います。後者がどうでもいいと言っているわけではなく、優先順位としてなんとか単語をひねり出すことしかできないレベルの学習者(前者のレベル)に対して、registerを要求するのはちょっと違うんじゃないのかなというところです。

話が長くなりましたがこの件に関して色々と考えていたらこんなことになってしまいました。ちなみに今日のカフェでの話のオチは、「”Do you have the time?”はformalすぎじゃないの?」ってクラスメイトが言ったあとに、カフェのお姉さんに聞いてみて、「いやー私は言わないわ。丁寧に言うならDo you know what time it is?でいいんじゃないの?」っていう話をして、次にお姉さんが来た時に「出身はどちらなんですか?」ってクラスメイトが聞いたら「私、実はドイツ人なのよ。アクセント隠してるの」って言われたことでしたw 英語母語話者だと思って聞いたのにwwww 見た目からも話し方からも全然わからなかったので二人で笑いましたw

そんな日曜日。

アメリカ New Hampshireより。

おしまい。

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