人に厳しい人の覚悟

自分ではそういう意識はないのですが,私はしばしば「怖い人」と言われたりします(周りから言われて意識するようになった)。

対外的に愛想の良さが求められる場面ではない限り、基本的に1人で行動するときには「話しかけるな」オーラを出している自覚はあります。ただ,そういうことではなくて「相手を見ずにストレートにモノを言う」ところを「怖い」と形容されるのかなと思っています。

最近は丸くなったと言われますが,数年前くらいならゼミで博論の発表した先輩に「小学生の自由研究やってるんじゃないんですよ」って言ったこともあります(あの時は若かったと反省しています)。しかし私がそういうスタンスで他の人の研究にコメントすることは,私の研究にも同じコメントが向けられることを容認しているという覚悟もあります。上述の「自由研究じゃないんだから」は,研究課題の導出過程に当該分野での課題やその批判的なレビュー,その分野への貢献と言った視点が全くなく,「私はこれが知りたいのでこれやりました」というような内容の発表へのコメントでした。言い方はもっと考えるべきだったと思っていますが,博士論文に値する学術研究としての価値が見出せないという点については今でも間違っていないと思っています。

私の研究も見る人が見たら「自由研究じゃないんだから」と言われるかも知れません。そういうコメントがあればそれなりの対応をしようと思いますし,真摯にコメントを聞き入れて今後に活かそうと思うでしょう。私の研究や発表が可愛いとか大事だとか思っているわけではないからです。批判が生まれることはあっても,研究分野に貢献する何かが提示できればいいと私は思っています。私がそう考えるだけで,こうした考え方は一般的ではないのかもしれませんが。

私が他の人にするコメントは,常に自分の研究にも跳ね返ってくるものだと私は思っているのです。少なくともアカデミックな文脈において,私は個人を攻撃したりはしません(そりゃ居酒屋で愚痴るとかあの人嫌いとか絶対言わないわけではないですけども)。自分は人に厳しくコメントするが,人から厳しいコメントは受けないというのはアンフェアというか,卑怯です。

「田村は相手を選ばずに誰に対しても同じテンションでコメントするよね」というようなことを言われたこともあります(批判的な意味ではないと補足されましたけども)。これは私の個人的な考えですが,学会(やそれに準ずる場所)での発表や論文投稿やその他の媒体での出版は,常に批判的で建設的なコメントをもらえる機会だと思っています。そしてそれが自分の研究のクオリティを上げることにつながると思っていますし,自分の成長にもつながると思っています。だからこそ発表をするし,論文を投稿しようと思うわけです。そういった気持ちでなければ発表してはいけないと言うつもりはないですが,発表者が何を思って発表しているかは私にはわからないので,私が発表者だとしたらコメントしてもらえてよかったと思うだろうというようなコメントをしたいと私は思います。それは簡単なことではないですし,なかなかうまくいった試しがありません。そうではあっても,頭の中で考えているだけでは自分のコメントに意義があるかを確認できないのでコメントします(変なコメントばかりしているかもしれません)。

時には私の発表に対して辛辣なコメントがあるかもしれませんし,その事で不快な思いをすることもあるのかもしれませんが,それが建設的なコメントである限りは,「何か言ってもらえるだけありがたい」と思いたいです。また,おそらくですが自分の発表などが届く範囲が広がれば広がるほど、ほとんど個人攻撃に近い無意味なコメントも増えていくのでしょう。

そうではあっても,私のいうことがすべて肯定され,私の行いがすべて賛同されることがもし仮に,万が一あるとしたら,それは気をつけなければいけない事ではないかと思います。それは,周りから建設的で批判的なコメントをするに値しない人だと思われているかもしれないからです。また,その状況に慣れすぎたり,自らその方向に向かっていけば,ひとたび批判的なコメントに晒された時に,そのコメントに対して過剰に「攻撃された」と感じてしまうかもしれません。もしそうなることがあったとすれば,私はすでに研究者ではなくなっていると思います。

教育に関していうと,ビリーフの部分もかなり大きいですから,自分が信じてやってきたことに対して批判されると,なおさら個人攻撃のように感じられることもあるのかもしれません。もしそうしたことが起こっても,その批判から真摯に学ぶことは忘れないようにしたいです。

そして,歳をとればとるほど自分の信念を批判されることも耐えがたくなってくるのでしょう。そんな時でも,学び続ける姿勢を忘れずに生きていきたいと思います。

なにをゆう たむらゆう。

おしまい。

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人に厳しい人の覚悟」への1件のフィードバック

  1. ピンバック: 2018年の振り返り | 英語教育0.2

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