ペアやグループでの「会話テスト」もテキストチャット (Slack) なら効率的に回せるかもという話

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はじめに

今まさに思いついたことをブログ記事に書いてしまうシリーズ(そんなシリーズがあったのかどうかはわかりません)。顔出し問題の続きがまだ公開できてませんが,それよりこっちを先に出してしまいます。表題のとおりで,今定期テストのことを考えていたら振ってきたアイデアです。

スピーキングテスト実施の大変さ

対面授業のときにスピーキングテストしようと考えると,その選択肢の1つに授業時間内でテスト実施&評価を終わらせるというパターンが出てきます。クラスを半分に割って,1ペアずつ教員のところに来て….とかやるような形式です。40人のクラスをペアにしても20ペアもできてしまうわけで,90分をフルに使ったとしても入れ替えとかも考えて3分できればいいほう。だけど3分の対話って結構短いんですよね。特に,用意してきたものを話すのではなく,その場で即興で話させようと思うと特にそうなります。もっとこうstruggleしながらその中でことばを道具として使って意思疎通するというその醍醐味を味わってほしいと考えると,3分じゃ間違い探しみたいな簡単なのすらできないかもしれません。

じゃあもう評価は授業外でやろうということになると,授業内では録音させるという選択肢になります。私は昨年度はこのパターンをやっていて(過去記事参照),しかも学期中に4回もテストしてました。だいたい1クラスが18ペアくらいで,1ペア10分なので1回で合計180分(3時間)の会話を聞いて評価することになります。これを中間で2回,期末で2回なので,合計12時間を費やして評価していたことになります。

いや厳しいですよね。今考えるとよくやってたなと思います。

テキストチャットならテストできそう?

オンライン授業になったので,基本的にインタラクションはslackでやっていこうと思っています(過去記事参照)。それで,このテキストチャットを使ったら,授業時間内でもテスト実施できるのではないかと思いました。なぜなら,ある程度「複数ペアの同時評価」も可能だからです。

口頭産出のやり取りを評価しようと思ったら,2ペア同時に呼んで,同時に聞きながら評価するって相当訓練積んでもかなり厳しそうですよね。口頭発話は聞き逃したら終わりだからです。また,同じタイミングで話してたら両方聞いて意味理解するのはかなり難しいと思います。ところが,テキストチャットは少し遅れてもやりとりは残っていますので,会話に追いつくことがそれほど難しくありません。どんなにタイピングが早い人のやりとりであっても,一方が投稿して,それを読んで,そして返答を考えるというのは口頭発話よりも確実にタイムラグが生じるので,会話の流れ自体も緩やかになることが予想されます。学生はそこまで英語のタイピングに慣れていないでしょうから,ペースはさらに遅いでしょう。同時性の点でも,もし仮に同じタイミングで投稿があってもどちらかを先に読んでどちらかをあとに読むこともできます。これはスピーキングなら絶対に不可能なことです。

そうなれば,デバイスが3つ(PC,タブレット,スマホ)あればリアルタイムで3ペア(あるいはグループ)の会話を同時に追いながら評価することも意外にできるかもしれないと思いました。デバイスを複数使わなくてもthreadを行き来すればいいわけなんですが,見やすさは1デバイスにつき1スレッドだと思うので,それがいいかなと。

なんなら私の今の在宅ワーク環境は,Mac mini, HP Spectre x360, iPad pro 10.5インチ,iPhone8 Plus,の4つのデバイスでSlackを使えるので,4組いける可能性もあります。試したことないのでわかりませんが,ブラウザで同じワークスペースに複数タブでログインして表示すれば,別に複数デバイスでやる必要もないのかもしれませんが。

普通の口頭のやり取りとは違うので,テキストチャットのやりとりに合わせて評価の観点だったりルーブリックだったりは改変しないといけませんが,テキストチャットでインタラクティブなスピーキング(?)テストをやることにしたら,授業内で時間を分割すれば全員がテストを受験することもできるかもしれません。

ここまでの話は学生同士のテキストチャットを第三者として教師が評価する想定でしたが,教師対学習者の1対1のやりとりをするような面接型のテストも,複数人と同時にやりとりすることが可能かもしれません)。評価するのはかなり工夫しないと難しいかもしれませんが,テキストは残るので,あとで見直しての評価もできそうです。録音してもらったのを提出するときのように,自分が初めて全部のやりとりを聞いて評価する方式に比べれば,自分がしたやりとりを振り返りながら評価するのであれば評価にかかる時間と労力も格段に減るでしょう。

問題点

もちろん,すべてがハッピーというわけではありません。やりとりに時間がかかるということは,テスト時間も口頭でのテストよりは長く確保する必要があります。口頭なら10分もうけていればよかったのが15分や20分になるかもしれません。このへんは,タスクの難易度を少し下げてあげるのも手かもしれません。そうすればタスク達成にかかる時間が短くなるはずなので,そこまで長い時間かけなくてもテストとして成立しそうです。

また,そもそもそれスピーキングじゃねぇよっていう話もあります。もちろんそうで,やってることは「ライティングのコミュニケーション」です。スピーキングという技能の代替手段であって,「やりとり」を重視しているのでテキストチャットにしていますが,音声言語のやりとりとは違うものだという自覚はあります。ただ,こういう特殊な状況で,手近に使えるボイスチャットツールもないですし,zoomのようなものも導入できないスピーキングのクラスはどうしてもあります。その限られた状況の中で,「ましな」そして「実現できそうな」テストの形を考えたらテキストチャットのテストもありなんじゃないかなと思いました。

おわりに

時間の設定や課題の難易度については,授業の中でテキストチャットのやりとりをさせながら感覚をつかんでいくことになりそうです。テキストチャットをオンラインでやらせるという試みをまだ始めたばかりなので,アイデアとして面白いかもしれないという程度で実際にやろうとしたらいくつも超えなければいけない壁もあるような気がしています。

とりあえず授業をやりながらテキストチャットテストで複数ペア同時評価をして授業時間内に終わらせる,ということができるのかどうか模索していこうと思います。

なにをゆう たむらゆう。

おしまい。

ペアやグループでの「会話テスト」もテキストチャット (Slack) なら効率的に回せるかもという話」への1件のフィードバック

  1. ピンバック: slackでテキストチャット型テストをやってみた感想 | 英語教育0.2

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