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Slackを授業で使ってみてわかった課題

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はじめに

ちょうどオンライン授業だなんだということで,様々なツールの授業利用の情報がネット上に溢れ出した頃,私は下記のような記事を書きました。

オンラインで語学の授業をする際に取り入れたい「やりとり」のためのSlack活用

Slackを授業で使ってみて,色々課題が見つかったので,どんなふうに使っているのかということと,どんな課題があるのかということをここに書いておこうと思います。

基本的な利用方法

  1. 学生は授業開始時間になったらLMSにアクセスし,教科書に沿った課題を順番にこなす
  2. LMSでの課題が終わったら,slackに移動し,#discussionというチャンネルに投稿されたトークテーマでペアと会話する

おおまかな授業の構成はこの2点です。1の部分では基本的にリスニングやリーディングベースの課題をやります。その内容に基づいたペアまたはグループのインタラクションをslackでやるというのが2の部分です。slackでのやりとりについては,下記のような資料をLMS上にアップして見れるようにしています。slackでは英語でしかinstructionを出さないことにしているので,ポスト機能を使って英語版の資料を投稿しています。

1. 10時より前にここまでたどり着いた人は,一旦休憩してください。

2. 10時になったら,Slackを開いて,ShufflからのDMを確認しましょう。DMが一緒に来た人が今日会話するメンバーです。

3. まず,はじめましての挨拶だけして,誕生日を確認しましょう。誕生日が一番早い人が,最初に#discussionのチャンネルに投稿をして会話のスレッドをスタートさせます。例えば,”Let’s talk, @AAA and @BBB!”のように投稿してみましょう(AAAとBBBには同じグループの人の名前を入れます。こうすることで,どのスレッドに自分が参加すればいいのかグループメンバーがわかりやすくなります)。

4. グループの中で一番誕生日が遅い人は,司会役として会話をうまく回す役です。まず誰の話から聞くかなどを考え,全員が均等に発言できるように工夫しましょう。目安としては,1人が5回以上発言することが最低ラインです。

5. グループの中で誕生日が真ん中の人は,会話のまとめ役です。全員が5回以上発言し,話題も出尽くしたなと思ったら,会話を終わらせます。この合図は,”Shall we invite Mr. Tamura to this thread?”です。みんなが,同意したら,私にメンションをつけて会話が終わったことを教えて下さい。”@Yu Tamura We finished!”みたいに。この投稿があったら,私が確認しに行きますので,少し待っていてください。私からOKをもらったら,グループワークは終了。この日の授業は終わりとなります。グループメンバーにお礼を行って終わりましょう。出席登録だけ忘れないようにしてください。

25名以上のクラスはShufflというappを使ってペアリングまたはグルーピングをしています(注)。ただこのappは平日の指定した曜日の午前10時にDMを送るという仕様なので,1限の授業(私は全学教養英語の4つの担当のうち3つが1限)だと授業時間中に自分がだれとワークするのかを知ることになります。1限だと,9:00-10:00でLMSの課題,10:00-10:30はslackでコミュニケーションタスクという分け方にしています。

見えてきた課題

時間配分の問題

上記の方法でやって最初に困ったのは,グループの指定が10時で,そこから役割分担決めて話し始めるまでに10-15分くらいかかってしまうという点です。もちろんこれは慣れの問題で,回を重ねれば解決するのかもしれませんが,始まるまでの時間が長くかかると,やり取りの時間が実質短くなってしまい,授業時間中にタスクを完遂できなくなってしまいます。また,グルーピングの時間に余裕をもたせておかないと,グループが集まらなかったときに話をスタートできない人ができてしまいます。教室のときのように自分のペアの相手,グループのメンバーが欠けている(欠席orLMSの課題が遅れていて間に合ってない等)というときに,slack上での課題に入れないことになります。教室であれば,グループやペアができていないことは見れば一目瞭然ですが,なにせこちらも学生から報告されないとわからないので,問題の発見,報告,対応も対面授業に比べて遅れてしまいます。自分の相手と連絡がつかなかったときのガイドラインは作っておいたほうが良さそうです。例えば,

  • 3分経って相手から連絡が来なかったら教員に連絡
  • 連絡の際は,「ペアの人がいません」とかではなく,「私の今日の相手は○○さんですが,XX時XX分にこちらから連絡をしましたが反応がありません」のように情報を伝えること
  • 教員からの指示を待って,Shufflで指定されたペアとは違う人とタスクをやるように指示された場合,自分につけられたメンションを確認し,会話に参加すること

というような感じです。appを使ったペアリング・グルーピングは,こちらで誰と誰が組んでいるのかわからないため,「相手がいません」と言われても教員は対応ができません。そこで,「相手誰?」と聞くので1ターン分のロスが生まれてしまいます。最初に相手がわかれば,LMSのログイン状況や課題の進捗を見て,そもそもLMSの課題をやってなかったら欠席の可能性が高いし,課題をやっているのであればあとどのくらいでslackに来そうかもある程度予想がつきます。グループであれば,情報が分割して与えられているようなジグゾー系のタスクでない限りは人数が欠けていてもとりあえず,スタートはできます。ペアだと相手がいなければどうしようもないので,すぐに対応しないと待ちぼうけで時間を無駄にしてしまいますので,対応方法は明確にしておく必要があります。

おそらくですが,slackのやりとりだけで1時間くらいの余裕をもたせても良いのかなと思いました。実際にやりとりが始まってから終わるまでは,平均して30-40分くらい,投稿数としてはだいたい20-30 per threadくらいでした。ただ,始まる前の時間を確保し,その上である程度余裕を持って終了するためには(そうでないとやり取りを急ごうとしてしまうので機械的に終わらせようとしてやりとりが無味乾燥になる),1時間くらいの余裕を持ってやるのがいいかもいしれないなと思いました。むしろもっと長くてもいいかもしれません。これが慣れによって改善されるのかどうかはもう少し回数を重ねてみないとわかりませんが,少なくとも30分という時間設定では不十分であることは間違いありません。

となると,shufflの指定を前日10時にしておいて,前日にはメンバーがわかっていて,役割分担も確認できていて,10時になったらすぐに対話をスタートさせられるようにしておいたほうがいいのかもしれません。slackで行う対話の内容自体はLMSでのインプットベースの課題に基づいているので,LMSをやってからslackへという流れだけは変えたくありません。つまり,LMSはアクセスの時間を1日中,あるいは1週間可能にして,slackだけ授業時間中にやるというのはしたくないしできないと思っています。ただ,LMSの課題を1時間で終わらせるのが厳しい学生もいるようでした(こちらとしては授業開始と同時にスタートすれば30分程度で終わると見込んで作っています)。

時間配分問題の解決策

1. 授業開始即slack

大幅な仕様の変更になってしまいますが,授業開始と同時にslackを始める仕様にするという手があります。 そうすると,グルーピングについて2つの方法が考えられます。1つは,shufflでグルーピングするタイミングを前日に設定しておき,役割分担も授業開始時点では完了するように指示するというもの。2つ目は,こちらであらかじめ毎週のグループ(ペア)リストを作って公開し,それを見て各自がグループDMを作って役割分担をしておくというものです。リストの中でグループDM作る人を指定しておき,グループDMの始め方の資料も作っておけばなんとかなりそうですが,学生がどこまでできるのかは未知数なので不安があります。

上記いずれの方法を取ったとしても,授業開始時点からslackをするのであれば,授業開始前にインプットタスク部分であったりoutputのpreparation部分(自分の考えを決める等)が終わっている必要があります。それが可能となるためには,前週から授業週までの1週間で準備となる課題を終えて(これについては授業時間内に終わらせなくていいこととする)おくように授業計画を変更することが必要になってきます。

むしろ,前もってグループがわかっていれば,役割分担の確認も前もって終えた状態で授業に臨めるので,会話スタートまでの時間をタスクそのものに費やすことができるかもしれません。そうなれば,これまで通りの時間でも十分にタスクを完遂できる可能性もあります。

授業時間後にすぐslackスタートという案は大幅な授業計画の変更になりますが,その一部分であるグループ(・ペア)リストの公開は考えてしまってもいいかもしれません。

2. slackは授業時間内でなくても良いとする

2つ目の解決策は,slackのやりとりを授業時間内で終わらせることに限定せず,むしろLINEのグループチャット的な使い方(時間のあるときに返信する)とするものです。こうすれば,なにかトラブルが発生してもそれに余裕をもって取り組めますし,時間を空費してしまうリスクは抑えられます。一方で,ライブ感が損なわれてしまいます。また,学生がslackの通知設定をどうしているのかに依存してしまうので,「返事忘れてました」となる可能性もかなりあります。

逆に,24/7でslack課題から逃れられないというプレッシャーを与える可能性もあります。これは,亘理先生が先日ブログで書いていた授業内外の話にもつながりますが,授業の時間内という縛りをなくすことによって,slackの課題が他の日常生活の時間や学生が受講している他の授業との競合を迫られることになります。場合によっては昼夜問わずにslackの返信が迫られる(ように学生が感じてしまう)かもしれません。もちろん,学生が自分で様々なことに費やす時間の管理やタスク管理をできれば問題はありません。ところが,「社会人」とか「オトナ」であってもタスク管理の本がわんさか世に溢れ,そのためのアプリケーションやライフハック術を求める人がたくさんいるわけです。つまり,かなりレベルが高い,身につけるのが難しいスキルなわけです。自律的学習者の育成という意味では大学生のうちにそういったマネージメントスキル的なものを身につけてもらいたいという思いもある一方で,それをすべて学生側に投げることもあまり誠実とはいえないような気がします。

以上のような理由で,2つ目の解決策はメリットもありますが,個人的にはデメリットも大きいなと思っています。

教師の介入のタイミング

時間配分の問題は,どちらかというと授業の運営上の問題でした。2つ目の問題は,むしろ指導技術に関わるものです。それは,学習者同士の会話にどうやって介入するか,どのタイミングで介入するのかという問題です。

私は先週の授業である「失敗」をしました。その日のslack課題は,「教科書の登場人物の情報を読み取り,その人達が参加するパーティに自分も招待されたとしたとき,誰と一番仲良くなりたいと思うか?その人にどんな話題で話しかけるか?」を考えるというものを各自で考えて,意見交換するというものでした(合意形成は必要なし)。

この課題に対して,いきなり”What’s yoru hobby?”とペアの相手に話しかけているペアがいたのです。私はそれを見て,「しまった。課題が正しく理解されていないぞ」と判断して,”Why are you two talking about hobbies?”ってすぐ突っ込んでしまったのです。ところが私のその投稿の直後に,メインの話題に入ろうかという言う話になっていたのです。その時に「あ,そういうことか。趣味の話はconversation starterだったのか」となったんです。その意識が自分にはまったくなかったので,反射的に流れを乱してしまったことを反省しました。ランダムに話す相手決めてるので,いきなり話すんじゃなくなにか最初にアイスブレイクじゃないけどそういう会話を入れるというのを,誰にも何も言われていないのにできるというのは素晴らしいことですよね。もちろん,そこでいきなりWhat’s your hobby?が適切なのかっていうのはあります。ただ,コミュニケーションとして大事な要素を意識してやりとりしようとしたという行動に何か水差してしまったなぁと思いました。

教員側としては,勘違いして変な方向に行ってしまうのはなるべく早く止めて軌道修正してあげたいとは思うわけです。ただし,それを仮に教員が指摘しなくても自分たちで「あれ?この話でいいの?」などとやりとりしながら,「先生!この話であってますか?」とか「もう一回インストラクション読み直そう!」とかいうやりとりをして自分たちの力で軌道修正ができるのだとしたら,それ最高っていうかそれが英語でできるというのは素晴らしいことだと私は思います。むしろ,それこそが私が身につけてほしい「英語力」だと思っています。その学びを奪うことは絶対にしたくありませんが,かと言ってそれを黙って見てるのももどかしいというのがジレンマです。

また別の視点で見れば,合いの手を入れるタイミングもテキストチャットは独特です。誰かがタイピングしている最中であればそのことがSlack上で表示されるとはいえ,何十人も同時にやっているので自分がコメントしようとしてる学生が何か書いてるのかまでは把握できません。そうすると,スレッドが止まっているのは沈黙なのか,はたまた書いてる最中だから止まってるのか,ということはわかりません。沈黙しているから何か会話を促すような投稿をしてみよう,と思って何か質問を書き込みんだらその直後に次の話題に移行するような投稿がされてしまって逆に対話の流れをそいでしまったりということもありました。意外にというか,教師の介入は結構難しいなというのがリアルタイムのインタラクションをテキストチャットでやらせてみての正直な感想です。

このように邪魔をせずに何かしらのメッセージを伝える方法としては,reactionの活用も可能かもしれません。つまり,絵文字でレスポンスすることですね。slackには豊富な絵文字があるので,いくつかに絞ってフィードバックを関連付けておけば,会話を邪魔せずに何らかのフィードバックを与えることもできそうです。

また,このリアクションをうまく利用して成績に反映させる事も考えられます。今のところ,「いいね!」と思った投稿には100点のマーク(:100:)をつけておくようにしています。それをあとからslackのAPIを利用してログを取得して,どの学生が何回そのマークをもらったかを集計するというものです。このことはまた別の記事で紹介できればと思います。

おわりに

とりあえず,slackを利用して何回か授業をやってみてわかった課題と,それをどうしたら解決できそうかについて書いてみました。前回の記事を書いたときは,まだ実際に実践をしてみる前の段階でしたので,この記事に書いたようなことは見えていませんでした。これからまた授業を重ねるごとに,新しい問題が出てきたり,あるいはここに書いた課題を克服できたりといったこともあるかもしれないので,また時間をみつけて記事を書こうと思います。

なにをゆう たむらゆう。

おしまい。

注. ちなみに,Shufflは無料でも2人,3人,4人と人数が選べます。一方で,donutだと時間の設定やhostをペアリングから外す等の設定は便利ですが,無料版では2人しか選択できないので,Shufflとdonutは一長一短という印象です。

オンライン授業での「顔出し問題」(2)

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前回(といっても正確には2つ前の記事)の記事の続きです。オンライン授業で,zoomみたいな同時双方向型でやるときに,カメラをオンにしないといけないという話への反論みたいなところです。前回の記事では顔出ししない理由や,不正についての私の考えを書きました。今回は,前回書ききれなかったコミュニケーションの問題について書きます。

まず前提として,コミュニケーションは顔が見えてなんぼだみたいなのがあるみたいなんですよね。そのこと自体については否定しないし,私もポッドキャストの収録なんかをやっているとやっぱり相手が見えない状態で,声だけでコミュニケーションするのって難しいなと思うことはよくあります(特に3人以上の場合)。ヒトのコミュニケーションは非言語的なものも含まれますし,それが重要な役割を担うことは否定しません。「顔が見えないようではグループワーク時にコミュニケーションが取りづらい」というのもそれ自体はそのとおりだと思います。

この記事では,むしろその状態を逆手に取って授業を構成するのもアリなんではないか,顔出しをしない(できない)からこそ教えられることもあるのではないか,ということを考えてみたいと思います。

何が顔出しコミュニケーションを円滑にするのか

私達は,ジェスチャーだったり顔の表情だったり,そういう非言語的な情報も使ってコミュニケーションしています。例えば1対1の状態で考えても,アイコンタクトでいろんなことを伝えられますし,複数人のやりとりのときに顔や体をある特定の人に向けることで,「あなたの話を聞く態勢です」というメッセージになったりもします。そうやって,相手が見えている状態と見えていない状態のコミュニケーションで何が違うのか,顔が見えないとやりとりしづらいと感じるのはなぜかを考えてみるというのも,大事なことなのではないかなと思います。普段の授業だと,コミュニケーションをメタ的に見るのって意識してもなかなか難しいと思います。今の状況ならむしろ,「顔出し」しないとなんかやりにくい,みたいなことをきっかけにして,コミュニケーションを考えさせることができるように思います。

顔出ししないからこそ言語でのやりとりが大事になる

これは私の個人的な考えですが,顔が見えない状況だからこそ(これはテキストチャットでも当てはまると思いますが),言語というツールしかない状況でのコミュニケーションを円滑に進めるためには,言語で伝える情報というのは普段以上に大事になってきます。そう考えると,いつもは非言語的な情報に頼ったコミュニケーションでごまかせた部分がごまかせなくなります。だからこそ,言語コミュニケーションのスキルを今磨いておけば,それはきっと対面のやりとりをも円滑にすすめることに役に立つはずだよと言ってあげたら,顔出ししない状態でうまくコミュニケーションを成立させることに意欲的に取り組ませることもできるのではないでしょうか。

非言語的情報でのやりとりを言語化しないといけない

私がポイントかなと思うのは,非言語的な情報を言語化できる(する)ことです。わかりやすい例でいえば,相手が何かを言ったとき,眉間にシワを寄せて少し首を横に傾けたりすることで,「話が理解できてません」というようなことを伝えていたとしたら,それをはっきり言わないと表情が見えない状況では相手には伝わりません。じゃあ,ということでそれをどう伝えるのかが次に問題になります。

I don’t understand.

I don’t know

I’m sorry but I don’t think I’m following you.

What did you say?

Sorry?

Could you say that again?

Excuse me, can you repeat what you just said?


どの言い方が相手にどんな印象を与えるのか,相手に何を要求しているのか,そういう言葉の機能的な面に注意を向けさせることができるように思います。そして,それって対面のやりとりだと結構おざなりになってしまうというか,あまり意識しなくてもなんとかなってしまう,無意識になんとかしているようなものでもあります。しかしながら,言語のみのコミュニケーションであれば,その言語が持つ機能的な側面を意識せざるをえません。

そして,そこでの失敗だったり,コミュニケーション・ブレイクダウンが原因となって発生する意味のやりとりもまた,言語習得上重要な要素がたくさん含まれることになるでしょう。

ほかにも,ターンテイキングも普段より難しくなることが予想されます。ビデオチャットは若干の時差がある場合もあり,それが原因で同時に話し始めてしまうというようなこともよくあるかもしれません。ただ,そういうことがまったくない状態であったとしても顔が見えないとターンテイキングはとても難しくなります。顔が見えていれば,相手が話し始めるのは口元を見ていればある程度わかります。それがないと,1対1であってもどのタイミングでこちらが話し出せばいいのかは結構難しい判断が伴います。「あ,少し間があいたからいまだ!」と思って話しだしたら,実はまだ相手は話の途中だったり,一区切りついて新しい話題を出してくるかもしれません。また,3人以上になると,「割って入る」のも難しくなります。どうしても,誰かと誰かがやりとりをしているのを聞いているばかりになってしまい,自分が会話に参加するのが難しくなるわけです。顔が見えていたって難しいわけですから,顔が見えていなかったらハードルは余計あがります。このようなことを避けようとすると,明示的なターンの移行を推奨するのもひとつの手かもしれません。意見交換だったら,自分の意見を言い終わった後に,”That’s what I think.”のように終わりだとわかるようなセリフを入れたり,あるい言い終わったら”What do you think, Ann?”のように誰かに必ず振るようにしたり,という工夫です。

こういうのにあまりに縛られすぎると本来の会話のダイナミクスみたいなのが失われるような気もするので,それは難しいところだったりします。ただ,普段そこまで表面化しないようなことが,顔が見えないからこそ表面化する,そのことは実はコミュニケーション上指導する意味のあることをたくさん含んでいるように思われます。

おわりに

この記事では,オンライン授業において「顔出し」しない,つまり顔が見えない状態でのコミュニケーションは語学の授業においてマイナスの影響しかなく,良い授業を行うためには取り除かなければいけない問題なのかということを考えました。私の考えは,むしろ逆で,その状態だからこそコミュニケーションとか,言語の機能的側面をメタ的に考えるいい機会になるというものです。そしてそれは,実は通常の対面授業ではあまり扱われてこなかった,だけれども言語教育上は意味のあることなのではないかなと思っています。

なにをゆう たむらゆう。

おしまい。

ペアやグループでの「会話テスト」もテキストチャット (Slack) なら効率的に回せるかもという話

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はじめに

今まさに思いついたことをブログ記事に書いてしまうシリーズ(そんなシリーズがあったのかどうかはわかりません)。顔出し問題の続きがまだ公開できてませんが,それよりこっちを先に出してしまいます。表題のとおりで,今定期テストのことを考えていたら振ってきたアイデアです。

スピーキングテスト実施の大変さ

対面授業のときにスピーキングテストしようと考えると,その選択肢の1つに授業時間内でテスト実施&評価を終わらせるというパターンが出てきます。クラスを半分に割って,1ペアずつ教員のところに来て….とかやるような形式です。40人のクラスをペアにしても20ペアもできてしまうわけで,90分をフルに使ったとしても入れ替えとかも考えて3分できればいいほう。だけど3分の対話って結構短いんですよね。特に,用意してきたものを話すのではなく,その場で即興で話させようと思うと特にそうなります。もっとこうstruggleしながらその中でことばを道具として使って意思疎通するというその醍醐味を味わってほしいと考えると,3分じゃ間違い探しみたいな簡単なのすらできないかもしれません。

じゃあもう評価は授業外でやろうということになると,授業内では録音させるという選択肢になります。私は昨年度はこのパターンをやっていて(過去記事参照),しかも学期中に4回もテストしてました。だいたい1クラスが18ペアくらいで,1ペア10分なので1回で合計180分(3時間)の会話を聞いて評価することになります。これを中間で2回,期末で2回なので,合計12時間を費やして評価していたことになります。

いや厳しいですよね。今考えるとよくやってたなと思います。

テキストチャットならテストできそう?

オンライン授業になったので,基本的にインタラクションはslackでやっていこうと思っています(過去記事参照)。それで,このテキストチャットを使ったら,授業時間内でもテスト実施できるのではないかと思いました。なぜなら,ある程度「複数ペアの同時評価」も可能だからです。

口頭産出のやり取りを評価しようと思ったら,2ペア同時に呼んで,同時に聞きながら評価するって相当訓練積んでもかなり厳しそうですよね。口頭発話は聞き逃したら終わりだからです。また,同じタイミングで話してたら両方聞いて意味理解するのはかなり難しいと思います。ところが,テキストチャットは少し遅れてもやりとりは残っていますので,会話に追いつくことがそれほど難しくありません。どんなにタイピングが早い人のやりとりであっても,一方が投稿して,それを読んで,そして返答を考えるというのは口頭発話よりも確実にタイムラグが生じるので,会話の流れ自体も緩やかになることが予想されます。学生はそこまで英語のタイピングに慣れていないでしょうから,ペースはさらに遅いでしょう。同時性の点でも,もし仮に同じタイミングで投稿があってもどちらかを先に読んでどちらかをあとに読むこともできます。これはスピーキングなら絶対に不可能なことです。

そうなれば,デバイスが3つ(PC,タブレット,スマホ)あればリアルタイムで3ペア(あるいはグループ)の会話を同時に追いながら評価することも意外にできるかもしれないと思いました。デバイスを複数使わなくてもthreadを行き来すればいいわけなんですが,見やすさは1デバイスにつき1スレッドだと思うので,それがいいかなと。

なんなら私の今の在宅ワーク環境は,Mac mini, HP Spectre x360, iPad pro 10.5インチ,iPhone8 Plus,の4つのデバイスでSlackを使えるので,4組いける可能性もあります。試したことないのでわかりませんが,ブラウザで同じワークスペースに複数タブでログインして表示すれば,別に複数デバイスでやる必要もないのかもしれませんが。

普通の口頭のやり取りとは違うので,テキストチャットのやりとりに合わせて評価の観点だったりルーブリックだったりは改変しないといけませんが,テキストチャットでインタラクティブなスピーキング(?)テストをやることにしたら,授業内で時間を分割すれば全員がテストを受験することもできるかもしれません。

ここまでの話は学生同士のテキストチャットを第三者として教師が評価する想定でしたが,教師対学習者の1対1のやりとりをするような面接型のテストも,複数人と同時にやりとりすることが可能かもしれません)。評価するのはかなり工夫しないと難しいかもしれませんが,テキストは残るので,あとで見直しての評価もできそうです。録音してもらったのを提出するときのように,自分が初めて全部のやりとりを聞いて評価する方式に比べれば,自分がしたやりとりを振り返りながら評価するのであれば評価にかかる時間と労力も格段に減るでしょう。

問題点

もちろん,すべてがハッピーというわけではありません。やりとりに時間がかかるということは,テスト時間も口頭でのテストよりは長く確保する必要があります。口頭なら10分もうけていればよかったのが15分や20分になるかもしれません。このへんは,タスクの難易度を少し下げてあげるのも手かもしれません。そうすればタスク達成にかかる時間が短くなるはずなので,そこまで長い時間かけなくてもテストとして成立しそうです。

また,そもそもそれスピーキングじゃねぇよっていう話もあります。もちろんそうで,やってることは「ライティングのコミュニケーション」です。スピーキングという技能の代替手段であって,「やりとり」を重視しているのでテキストチャットにしていますが,音声言語のやりとりとは違うものだという自覚はあります。ただ,こういう特殊な状況で,手近に使えるボイスチャットツールもないですし,zoomのようなものも導入できないスピーキングのクラスはどうしてもあります。その限られた状況の中で,「ましな」そして「実現できそうな」テストの形を考えたらテキストチャットのテストもありなんじゃないかなと思いました。

おわりに

時間の設定や課題の難易度については,授業の中でテキストチャットのやりとりをさせながら感覚をつかんでいくことになりそうです。テキストチャットをオンラインでやらせるという試みをまだ始めたばかりなので,アイデアとして面白いかもしれないという程度で実際にやろうとしたらいくつも超えなければいけない壁もあるような気がしています。

とりあえず授業をやりながらテキストチャットテストで複数ペア同時評価をして授業時間内に終わらせる,ということができるのかどうか模索していこうと思います。

なにをゆう たむらゆう。

おしまい。

オンライン授業での「顔出し」問題 (1)

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はじめに

今,オンラインの授業で「顔出し」問題がちらほら聞かれます。要するにビデオ会議システムを利用する際に,ビデオをオフにして音声のみで参加するということです。1対1のやりとりであれば,それこそもともと電話って音声だけのやりとりだったわけでそこまで違和感あるものでもないと思います。ただ,人数が多くなったときに音声のみだと,「話聞いてるのかわからない」とか,「本人であることが確認できない」という問題を指摘する人がいたり,「顔が見えないようではグループワーク時にコミュニケーションが取りづらい」「そもそもコミュニケーションは顔が見えてなんぼ」ということを指摘する人がいるようです(私の周りでは)。この記事では,この2つの問題点ついて考えてみます。

そもそも「顔出し」しない理由は?

「顔出し」の問題を自分にとって都合の悪い問題だと考える人って,「顔出し」しない側について配慮することが足りない場合もあると思っています。顔を出さない理由がなぜなのか,考えましょうよっていう。

プライバシー

とくにオンライン授業でZoomなどのビデオ会議システムの利用が盛り上がり始めた当初,この問題を指摘する人もいたと思います。インターネット上で実名顔出ししてる人って少ないですよね。それをしたくないと思うのと同じ理由で顔出ししたくないと考える人はいると思います。

通信量の問題

ビデオをオンにした状態は,音声のみの場合よりも通信量がかかります。学生側の環境をあまり把握せず,または把握したけど大部分は大丈夫そうだからとZoom等の利用に踏み切った場合,このケースが該当するかもしれません。「顔出し」したくても通信量の問題を考えてできない,あるいはできるだけ控えたいと考える学生がいてもおかしくありません。家にWi-Fi環境があったとしても,親や兄弟姉妹もインターネットを使って仕事をしたり授業を受けたりしていれば,通信が遅くなったり途切れたりしやすくなり,だったら音声だけのほうがトラブルが少ないので音声のみにするという選択をすることもあるかもしれません。

画面の問題

この問題もあるかもしれません。スマホしかデバイスがない場合の問題です。そうなると,スマホでZoomに参加しつつ,スマホで授業の資料を見ないといけないかもしれません。バックグラウンドでもZoomは動きますが,この場合ビデオはオンにできませんので音声のみでの参加を強いられてしまいます。教科書や授業資料がデジタルファイルとして配布されていて,それを自宅で印刷できない,コンビニのネットプリントの使い方もわからない,という状況だと,スマホで完結させざるを得ないのかもしれません。ただでさえ教員には質問しづらいものなのに,この状況ではそのハードルも普段以上に上がっていると思います。そうした学生にも顔を出しなさいというためには,スマホはzoomだけを使っていればよいという状態にするのは教員の仕事だと思います。それがめんどくさいと思うなら,安易に顔出し強制とは言えないでしょう。

「話聞いてるのかわからない」問題

これはもうしょうがないとしか言いようがないと思います。というか,ビデオがオンになってたら話聞いてるとも言えないと思います。話聞いてるかどうかは,話の内容を理解していないとできない課題をあとでやらせるとか,話の内容をメモさせるようにしてあとで提出させるとか,そういう部分で確認していくしかないと思います。

「本人であることが確認できない」

これについても前節と同じで,ビデオがオンでも本人かどうか確かめることはできません。それこそ入試のときのように受験票の写真をチェックしたり,あるいは定期試験で学生証の写真をチェックしたりしなければ,なりすましを防ぐことはできません。対面授業のときだって,名前を呼んで,手を挙げた人がその学生に間違いないと信じて授業をしていますよね。わざわざ一人ひとり本当に本人かどうかを確認しているのでしょうか。それをしていない時点で,ある程度学生を信頼して授業しているということだと思います。オンライン授業になった途端に,本人かどうかを疑うのはなぜなのか理解できません。そもそも一度も会ったことのない,名簿の名前しか知らない学生相手に授業をするわけですから,ビデオがオンになっていて顔を見ても本人かどうやって判断するのでしょうか。

ただ,この本人確認問題はLMSで課題をやらせるときなんかでも問題視されますよね。一応IPアドレスは残るので怪しいのを特定することは可能ではあると思いますが,100%防げるかというと難しいかなと思います。

こういう不正に繋がりうる問題があることも一因で,成績のつけ方をこれまでと同じにしていて問題はないのかという意見も出てきていると思います。この「本人確認問題」を重要な問いとして研究している分野もあると思うので,今後成績とか試験どうすんだという問題をもっと真剣に考えないといけなくなったときに(今もそうかもしれませんが),そういう分野の方々の知見がいきてくるのかなと思います。

おわりに

この記事では,オンライン授業のなかで,とくに同時双方向型の授業をするとき,Zoomなどでビデオをオフにして参加する学生がいるということについて,その問題ってほんとに問題なのかなということを書きました。長くなってしまったので,コミュニケーションに関わる問題点については,また別の記事で書きたいと思います。

なにをゆう たむらゆう。

おしまい。

MicrosoftのSwayっていうアプリがなんかいいぞ

はじめに

ようやく自分の授業準備も少しずつ進められるようになってきました。気晴らしにメモがてらの記事を更新します。LMSの使い方をLMSで説明しちゃだめよなぁということを考えていて,なんかそういうときに簡単に資料作れないかなと考えていたら,Swayが良さそうという事がわかったという話です。Apple派の人はここでおさらばのようですね(嘘)。

LMSにLMSの使い方を載せるのはなぜだめ?

LMSにログインしてからの設定の説明等をLMSの内部に資料としてアップするっていうのは,LMSに資料ページがあるとやってしまいがちだったりするんです。ただ,実際に資料を見る側になると不便だよねという話です。

特に,多くの学生はスマホでLMSを開くことが多いでしょう。そのとき,スマホでLMSの資料を見ながらスマホで作業するってどうやるの?っていうことになりがちですよね。特に,LMSを複数タブで開いて作業するとエラーが発生する原因にもなるので回避しなくてはいけません。ということで,そういったマニュアルとか,参照するための資料はLMSの中にリンクを張って,外に飛ばすようにしたほうが健全だなと思います。

簡単なのは,Word等で文書ファイルを作り,それをPDFにしてクラウドサービスにアップロードし,その共有リンクをLMSに貼る方法です。これなら,リンクを開いたらLMSの外に一旦出ますので,マニュアルや参照資料を見ながらもとのLMSで作業することができます。

Swayがよさげ

ただ,マニュアル的なものってスクショの貼り付けがどうしても多くなるので,パワポだったりワードだったりで作るのって結構めんどくさいんですよね。そんなとき,勤務先の大学が契約しているOffice365のアプリの1つであるSwayというものを見つけました。

ブラウザベースのプレゼンアプリで,機能が限定されている分だけシンプルに作業できるなというイメージでした。実際に,Swayを使って作ってみた資料がこちら

インタラクティブな資料になるので,資料を見る側で,表示方法を変えることができるのがいいですね。歯車アイコンをクリックすると,縦スクロール,横スクロール,プレゼン資料という3つのレイアウトが選べます。プレゼン資料にすると,自動で勝手にアニメーションつけることもできます。デザインの種類はテンプレになっているものがいくつかあって,作るときに選ぶことになります。

新規作成時の最初は下記画像のような画面です。左上を見るとわかるように,プレゼンの内容をいじるタブとデザインをいじるタブに分かれてるのがいいですね。内容を考えるときは内容に集中でき,あとでデザインを考えればいいわけです。

最初にタイトルを入力したら,内容部分に入っていきます。見出し,テキスト,画像,のようなものが選べます。上記のマニュアル的なものを作ったときは,「PCでのやり方」と「スマホでのやり方」という見出しをつけて,その下にどんどん画像を貼り付けてキャプションをつけただけでした。

画像はCCで使えるものを検索してくれたり,YouTubeの動画を検索して挿入することもできます。ウェブベースなので共有して共同作業も楽にできますし,もちろん編集権限は与えずにリンクを共有すれば学生に見てもらう資料としても活用できます。

簡単な機能しか使ってみてないのですが,デバイスで閲覧すること前提の資料はもうこれで良いのではないかという気はしています。一応印刷もできますし,MS WordやPDF形式でのエクスポートもできるので,紙媒体で印刷して配布という場合にも対応はできそうです。ただ,もし最初から印刷前提であれば,履歴書,ニュースレター等のテンプレもありますのでそちらを使ったほうが印刷したときの見栄えがよくなるかもしれませんね。

おわりに

今回の記事では,MicrosoftのSwayというアプリを紹介しました。今の状況って,次から次へと新しいツールの紹介が流れてきて,結構食傷気味になったりすることもあるんですが,少なくとも僕がちょっとSwayを触ってみた感じだと,かなり直感的に資料を作れたので,WordやPPTよりよっぽど簡単にできるなと思いました。もちろん,細かいところ,かゆいところに手が届かないというのは凝ったことしようとしたら出てくるでしょうけれども,シンプルでいいという場合にはSwayで十分なんじゃないかなと思います。

なにをゆう たむらゆう。

おしまい。

オンライン授業と対面授業の差分から見えるもの

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はじめに

こんな忙しいときにのんきに個人ブログなんか更新してる場合かと怒られるかもしれないですが,今このタイミングだからこそ更新したいと思った記事なので書きます。あるいは,「あれこの人躁状態かな」と思われるかもしれませんが,それでも書きます。

新型コロナウィルスの影響で,多くの大学が教室での対面式授業をやめて,オンラインで行う授業形態に移行することを表明してきています。その中で,大学教員も試行錯誤をしながらどうやって授業するか日々奮闘しています。この状況は,普段以上に自分の授業(スタイル)を見直すいい機会なのではないかという話です。

オンラインにできるものとできないもの

対面をオンラインに移行するとき,うまく移行できるものと移行できないものがあると思います。もちろん,実現できるツールの存在を知らなかったり,あるいはツールを知っていてもその使い方がわからないので,実はオンラインでも教室と同じようにできるという可能性もあります(注)。そうはいっても,どうしても教室の中でやっているようなことをオンラインではできないという場合もあるでしょう。そうした課題や活動は,対面だからこそできるものだと言えます。

オンラインでもできたらなぜ教室で?

授業の移行を考えたとき,わりと簡単にオンライン上でも同様の活動ができるということであれば,それって本当に教室の中でやる必要あるの?と問い直したいですよね。今までは教室で授業することが当たり前だったので疑う必要もなくやっていたけれど,これって教室に学生全員が揃っていて,前に教師がいて,リアルタイムで,という条件でやらないといけないことなのだろうか,と。

もちろん,例えばただの答え合わせ的な活動であっても,教室の中でやれば教師と学生のインタラクティブなやりとりから学びが生まれたり,あるいは他の学生の発言から学びが生まれることもあると思います。そうやって,何かしら学びの機会を確保しようという意図があるなら教室でやることにも意味があるでしょう。というより,教室の中で行うことに意味をもたせることができると考えたほうがいいかもしれません。

逆に,なんとなく当たり前のように教室でやっていた活動も,実はオンラインで同じような学びに置き換えられるのであれば,これからは対面授業であっても積極的にそのような活動は予習や復習としてオンラインでの授業外課題にしてしまっていいのかもしれません。

私個人としても,大学で教え始めてからは常にそういう意識でやっています。教科書に問題があり,それに学生が答える,というような活動はほとんどLMSに移行し,答えが必ずしもひとつに決まらない問題をベアやグループで考えたり,あるいは教科書の内容は理解した前提で発展的なタスクに取り組ませたりしています。

一方で,オンライン授業ではなかなかそうしたインタラクティブなペア・グループ活動をすることが難しくなります。しかしながら,発想を転換すれば,オンライン授業への移行が難しいなと感じる状況というのは,もしかすると自分の技術不足でもなんでもなく,教室という場に学生が集められ、そこで授業が行われるという環境を生かした授業を普段できているということを意味しているかもしれません。

そのことについては自信を持ちつつ,かといって「私はオンライン授業は無理です」と諦めてしまっては仕方がないので,教室での学びをどうオンラインで表現するかを考える日々になります。全く同じことをオンラインでやることは無理ですし,それは教員にとっても学生にとっても大きな負担を強いることになります。そこで大事になってくるのは具体的な課題や活動の移行ではなく,そこで学生はいったい何を学んでいるのかということなのでしょう。そうやって,具体的な活動を少し抽象的なレベルで捉えることができれば,実は一見まったく違う課題のようにみえるオンライン上での課題が対面授業の課題と同じような学びを誘発できるかもしれません。

おわりに

このように考えてみると,オンライン授業を考えるというのは,普段の課題や活動によって学生は一体なにを学んでいるのか,を問い直すいい機会にもなるなと思っています。実際は,こんなことを書きながら授業準備は一向に進まず先の見えない日々が続いているんですが。

なにをゆう たむらゆう。

おしまい。

注:ただ,何でもかんでもツールでどうにかすればよいという状況でもありません。教員側が使うツールが多様化すればするほど,学生がそのツールの習熟に費やす労力が負担になるからです。

オンラインで語学の授業をする際に取り入れたい「やりとり」のためのSlack活用

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はじめに

新型コロナウィルスの影響で,オンライン授業を模索する動きがどんどんと広がっていて,ウェブ上でも様々な情報がシェアされています。この記事では,わりと多くの方が情報を共有してくださっていると思う講義型やゼミ形式の授業ではなく,(大学における)語学の授業を前提としています。その中でも対面授業では積極的に学習者同士のやりとりを取り入れていたのに,オンラインでそれをどうしたらいいのかわからない…という方のための参考になればと思い,こうした授業をオンラインに移行する際のSlackの活用法を,私の経験をもとにかなり具体的なレベルまで踏み込んで紹介してみようと思います(結構長いです)。

先に言っておきますと,所属先のLMS等で学習者同士のやりとりをさせやすいものが整っているという場合は以下お読みいただかずにそちらを利用される方がいいと思います。私の所属先のLMSではかゆいところに手が届かないと感じているので,Slackのほうが私のニーズに合っていると現時点では感じているというわけです。

前提

同期型の授業を考えれば,Zoomでグループごとに活動させる方法などもありますが,同期型の授業や動画配信型の授業では,通信量の負担という点での懸念が各所であがっています。そこで,非同期型(もちろんリアルタイムチャットのように使えば同期型とも言えるかもしれませんが)で学生同士のやりとりを授業の中に取り入れようというのが出発点です。

想定としては,授業のすべてをSlackで行うことは考えていません。課題の提出&管理,Q&A形式の課題(リスニング・リーディング素材の内容理解確認問題や単語テスト等)についてはLMS等を活用し,やり取りの部分についてはslackで行うというように考えています。学生側からすれば,複数の媒体に分散された課題を行うことや,他の授業と互換性のないアプリケーション(slackを他の授業でも使っていれば別ですが,そうではないだろうと想定)の使い方に習熟するというのは,とくに1年次の学生にとっては負担が大きいかもしれません。後述するその他の懸念事項も考慮に入れて,それでも学生のやりとりを授業に取り入れることのメリットのほうが上回ると考えられる場合にはSlackの導入を検討するのがよいと思います。

Slackとは

Slackとは簡単にいうとワークチャットアプリで,ワークスペースという単位で運用していきます。そのワークスペースの中に,トピックごとにチャンネルを作っていくという仕様です。チャンネルは,全員が参加可能なものと特定の人だけが参加できるチャンネルの両方が設定できます。また,チャンネル内ではスレッド形式での対話が可能です。この点が,LINEなどとは異なります。LINEでは,返信機能もありますが,基本的にはメインのタイムラインにすべてのメッセージが流れます。一方で,Slackのスレッド機能は,メインのタイムラインに流すか否かを選択できます。よって,メインのタイムラインにも投稿しないようにすれば(これがデフォルト),ペアまたはグループごとのやりとりでタイムラインが埋まることはありません。

チャンネル内でのやりとり以外に,メンバーは個別またはグループのDMもできます。DMでのやりとりは,基本的にDMをやりとりする人以外は見れないようになっています。

Slackの利点

ペアリングやグルーピングが簡単

ペアやグループでやりとりをさせるためには,まずはペアやグループを作る必要があります。私の所属する関西大学では,webclassというLMSが導入されています。このLMSにも,チャット機能や掲示板機能が実装されているので,それを利用することでLMS上でやりとりさせることもできます。ただ,チャット機能を使う場合にはペアやグループごとにチャットルームを作る必要があるので,教員側は手間がかかります。また掲示板機能は全員参加で個別に返信機能を使っていけば,ツリーができていくので個別のやりとりも可能ですが,表示されるのはメインのタイムラインなので少しみづらさがあります(少なくとも弊学のシステムはそうというだけで,LMSでやりとりさせる便利な機能があるならSlack導入の必要はないと思います)。

Slackには,様々なbotがあり,その中にはdonutというものがあります。これをワークスペース内に入れることで,ランダムなペアやグループを自動で作成する事が可能です。もともとは社内コミュニケーション促進のためのボットで,ペアになる人にDMを送信して,「あなたのペアはXXXです。コーヒーでも行ったらどうですか?」とか送ります(英語です)。デフォルトではチャンネル内のすべてのユーザーが含まれるため,監理者(教員自身)も含まれてしまいます。設定で自分がペアリングから外れるようにしないと「え。なんで私先生とペアなの」となってしまうので注意が必要です。ペアリングの人数は2人,3人,4人と設定ができ,2人で割り切れない場合は3人のグループも自動で作ってくれます。ペアリングをアナウンスする日時の設定と繰り返しの設定もできます。私の場合,毎週決まった日時(授業開始の30分前)にアナウンスするようにしています。あまり前もって(例えば数日前とかに)アナウンスするようにしてしまうと,誰とペアかを忘れてしまったりということがありえるので直前にしています。

donutでペアリングする際の注意点

これまでは,Slackを対面授業と合わせて私は使っていました。つまり,donutでペアリング->授業内でペア活動->授業外課題として同じ相手とSlack上でペア活動という流れです。そのため,学生によっては自分でDMをチェックせずに教室に来てから「俺の相手のひと〜?」と言ってペアを見つけたりするので,未開封DMが溜まって「先生,今週のペアがわかりません」とかなるケースも多くありました。これについては,DMは毎週開くように指示することが必要です。また,Slackのスマートフォンアプリでは,DMはぱっと見では時間しか表示されません。よって,複数のDMが未開封の状態だと最新のものがわかりづらくなります。このため,日付を確認するには一度タップしないといけないことは指示が必要になります。この点は,対面授業と合わせて使う際の注意点にはなるので,すべてオンラインの場合はそこまで気にする必要はないかもしれません。

もう一点注意が必要なのは,教員は誰と誰がペアリングされたかがわからないところです。そのため,学生が「自分の相手が誰かわからない」というときに,教員が調べることができません。質問してきた学生に対して,DMを確認させる(DMの見方を指示する)ことしかできないので,基本的なSlackの使い方については別途資料を用意するなどの指導が必要になります。

さらに,対面授業でやるようにペアやグループをダイナミックに組み替えるようなことはできないという点にも注意が必要です。対面授業では,ペアとペアをくっつけてグループにしたり,ペアを組み替えてやりとりさせるようなこともありますが,donutでやろうとすると(仕組み上できなくはないですが)逆に混乱を招く可能性が大きいと思います。これはオンラインでテキストチャット形式のやり取りをする際にはどんな場合でも起こると思いますので,割り切って1回分の授業では相手を固定するのがいいかと思います。

具体的なペア・グループ活動のさせ方

donutでペアリングができていて,学生は誰とやりとりすればわかっているという状態だとします。この状態で,チャンネルにディスカッションクエスチョンのようなものを教員が投稿します。学生はそれを見て,そのお題を自分のペアとthread形式でやりとりしてもらいます。こうすることで,教員はトークテーマをポストするだけであとは学生にテキストチャットのやりとりをしてもらい,場合によっては教員も介入してフィードバックを出したりしていきます。

“/remind”のコマンドを使えば,日時指定の予約投稿も可能なので,時間があるときにまとめて予約投稿しておくこともできます。これは非常に便利で,決まった時間にslackに手動で投稿する必要がなくなります。基本的なコマンドの使い方は,

/remind [@人] or [#チャンネル名] [what] [when]

です。例えば,#Pair-talkというチャンネルに,4月20日(月)午前10時に課題のアナウンスをするとします。その場合,

/remind #Pair-talk “Based on the listening section on page 8, please talk about what Mike should do. The deadline is at 9AM, Monday, April 27th. Note that you should tap “start a thread” and then talk to your partner” at 10AM Monday, April 20

のようにすると,指定された日時にチャンネルに投稿されます。日時の指定をして,いつまでに終わらせないといけないのかも一緒に投稿しておくといいでしょう。コマンド名からわかるように,もともとはリマインダーを出すためのコマンドですので,締切日の朝や前日夜等に課題やってない人はやるようにといったリマインダーを流すこともできます。

上記のように,ただ話してねだけの指示だと,経験上1ターンとかで会話が終わってしまい,「やりとり」にならないことがたくさんあります。そこで,「最低でも10ターンはやりとりして,それで参加点○点,それより続いたらその分は加点する」,等の仕組みにしたほうがいいかもしれません。普通教室内では,時間で区切ることができますが,授業のようにリアルタイムでやりとりすることを必須としない非同期型であれば,そのような区切りはできません。この点は,もっと具体的に,「質問されたら必ず答える,答えたら追加で1つ質問をする」,というようなルールを設けることも考えられます。また,”You mean….”, “You’re saying that…”のように相手の意見をまとめたり,相手の応答に必ず自分も反応することなども指導することも考えられます。

また,会話を始める際にはペアの相手に必ず@でメンションをつけるようにすると,相手に通知がいくので問いかけに気づかないということを未然に防ぐこともできます。

ペアのどちらが先に書き込みするかについても,決めておかないと投稿が重複したり,あるいはお見合い状態になってしまう可能性もあります。私が導入していたのは少人数クラスだったので,この問題はあまり起こりませんでしたが,人数が多いとこの問題が発生する可能性もあります。後述のように自己紹介をマストにさせ,その中に誕生日を必ず書くように指示して誕生日の早いほうが必ずやりとりを始める,のようにルール化したり,あるいはDMでまず個人的にやりとりして,「じゃあ俺が先に書くね」と学生に決めさせるというのも可能かもしれません。

チャンネルの分け方

これは授業の形態や,あるいは教科書がどのような仕様になっているかにかなり依存してくるかと思います。同じチャンネルで複数のタイプのペア活動を投稿させるのであれば,ワークスペースは1つで,1クラスにつき1つのチャンネルでもいいかもしれません。たとえば,”Tamura’s Class”のようなワークスペースの中に,#Monday3 #Wednesday1のようなチャンネルを作るという発想です。この際に注意が必要なのは,Slackはデフォルトで#generalと#randomというワークスペース内全員が参加するチャンネルがあるということです。前述の例でいう#Monday3と#Wednesday1が同じ科目であれば,授業の内容も同じであることが想定されるので同じ連絡を流すのに便利ですが,もしも違う科目を受講している学生が同じ#generalというチャンネルにいる状態だと,全員が参加しているチャンネルの存在は混乱を招くかもしれません。

また,活動の種類ごとにチャンネルを分けたいという場合には,1つのクラスで複数のチャンネルができることになるので,この場合にはクラスごとにワークスペースを作るほうがいいのかもしれません。pre-task段階におけるペアワークは#pre-task,post-task段階におけるペアワークは#post-taskというチャンネルに投稿させるというイメージです。このように,活動ごとにチャンネルを設定しておけば,チャンネル内での指定期間内での投稿回数や投稿語数で評価もできると思います。

Slackのチャンネルに書き込まれたものをエクスポートする方法については,以前書いた記事を御覧ください。

上記3つのブログ記事では語数のカウントをしていますが,投稿回数を数える場合にはユーザー名が何回出てくるかを数え上げるようにすれば可能です。

懸案事項

slackの使い方

これについては,チュートリアル動画を作る,詳細なハンドアウトを用意するなどして対応する必要があります(注1)。私が授業で導入した際には,対面でも対応できたので以下のように簡単なものしか提示しませんでした。

Slackに参加する方法
 先にslackアプリをDLしておく(おすすめ)
http://bit.ly/XXXXXXX
 またはQRコードからアクセス
 メールアドレスを入力(関大メールまたは自分がよくチェックするもの)
 メールを確認し,”Confirm Email”をクリックまたはタップ
 英語で実名フルネームを入力(例:Yu Tamura)
 パスワードを作成(6文字以上)
 Privacy Policy と Cookie Policy に同意(I Agree をクリックまたはタップ)
 Preview画面が出てくるので,Joinする
 注意点
 上記の招待リンクは今月末で期限切れとなります
 忘れないようにこの授業中に必ず参加をするようにしてください
 通知設定は,モバイルでは任意のチャンネルを開き,右上の…が縦になったところをタップ→一番下のsettings→Notifications で変えられます(または,チャンネルごとに設定するときはそのチャンネル表示画面 でチャンネルをタップ→Notifications にいくと,そのチャンネルだけの Notifications を設定できます)

Slackの招待方法は様々なもの(メール送信,リンクのシェア等)がありますが,私はリンクを共有する方法を使っていました。同じワークスペース内に2つのクラスのチャンネルを作っていましたが,招待する単位はワークスペース単位なので,金曜1限の学生は金曜1限のチャンネルに,金曜2限の学生は金曜2限のチャンネルに入る必要がありました。これを管理するためには,デフォルトで参加するチャンネルの設定を変更する必要があります(PCから操作します)。

このときは,対面授業でしたので,金曜1限の授業の前には,デフォルトを#general, #random, #Friday1にしておき,金曜1限の学生は授業内に参加手続きを終わらせるようにしました。その後,金曜2限の前にデフォルト設定を#general, #random, #Friday2に変更することで,金曜2限の学生と金曜1限の学生が混ざらないようにしました。もちろん,授業を欠席した学生もいたので,その場合には個別対応でチャンネルを移動させたりしました。こうした手間を考えると,ワークスペースを分けるほうがいいかもしれませんね。ただ,担当しているコマ数が多くなればそれだけで膨大な数のワークスペースの管理をしなくてはいけないので,そういった状況ではそもそもslackの利用はあまり推奨できないかもしれません。難しいところですが,slackの利用を最小限にして,ワークスペースは1つだけにする(1クラス1チャンネル制)のも選択肢としてありでしょう。その場合,学生がslackに参加する時間を科目毎に分けるように工夫して,前述のようにデフォルトの参加チャンネルをこちらで変更するのがいいでしょう。

ここまでで結構手間がかかりそうな感じもしますが,これ以外にも,チャンネルの利用方法,投稿時の注意事項などのルールは明確にしておく必要があります。私は,書き込みは基本英語(目標言語)のみにしていて,個別に相談事項や連絡事項がある場合には教員宛のDMで日本語はOKということにしていました。また,指定されたことについて書くのではなく,自由な書き込みをしていく授業外課題にしていたので,誹謗中傷や不適切な発言は厳禁というルールは明確に示していました。授業内の課題として扱う場合には,このあたりはあまり気にする必要はないかもしれません。

知らん人と顔を見ずにやりとり

懸案事項の2つ目は,現在の状況特有の問題です。本来であれば,毎週の授業で顔を合わせ,毎週のペアor グループの活動を通して徐々に学生同士の信頼関係を構築していくというか,仲良くなってもらうようにしています。ところが,対面授業を避けるあるいは一切禁止するというような流れになってきている現在では,学生が顔を合わせる機会がないことの影響はかなり大きいと思われます。とくに1年生の場合は,大学に入ってきて,右も左もわからない,知っている人もほぼいないという状況で,いきなりオンラインでランダムに割り当てられた人とのやりとりを強制させられることになります。これは,対面よりもむしろ心理的負担が大きいかもしれません。対処法として今のところは3つ考えています。

1.自己紹介

解決策になるかはわかりませんが,少しでも負担を軽減するために,全員が自己紹介するチャンネルを用意して自己紹介を投稿させる(そしてさらに3人にコメントすることを求めるようにする)ような課題を授業の最初の段階で出すことも考えられます。また,毎回ペアになる人の自己紹介は必ず読んで,「今週はよろしくね!」的な一言コメントを残すように指示してもいいかもしれません。習熟度によっては,このようなやりとりはすべて日本語にしてしまってもいいと思います。英語使用というよりも学生同士のつながりを作ることが優先事項ですので。

2.オリジナルアイコン画像の設定

2つ目は,できれば顔出しのアイコン画像の設定を推奨するようにすることです。SNSで自分の顔画像出している人はかなり少数派ですし,それがはばかられる理由も十分に理解できるのですが,デフォルトアイコンの人とはちょっと距離を感じてしまいますよね。自分の顔出し画像である必要はないのかもしれませんが,アイコンを工夫して話しかけられやすいように工夫することはコミュニケーションのハードルを下げることにつながると思います。

3.雑談チャンネルの設定

3つ目は,授業とは関係ない雑談チャンネルを用意することです。英語での書き込みに限定して,そこに書き込んだものは授業参加点に準ずる加点として扱うようにするなどの工夫もできるかもしれません。もちろん,日本語での書き込みで良いことにして,英語授業以外のことについて気軽に相談できる場所にするのもありでしょう。このような状況で大学に行けないとなれば,他の専門科目や教養科目の授業についてなどなど情報交換したいのにできないことはたくさんあると思います。それをみんなで共有できるようにする場所を作ることで,授業での活動のハードルが下がるかもしれません。このチャンネルは,教員も参加して教員-学生同士の交流を兼ねてもいいでしょうし,教員はチャンネルから外れて教員の目を気にせず学生に使ってもらうようにしてもいいでしょう。後者の選択をする場合にはより厳密に雑談チャンネルの使い方を示しておかないと,教員が予測していないような不適切な利用がされる可能性もあるので注意が必要です。

おわりに

本記事では,講義型ではなく語学の授業を想定し,その中でも対面授業で学生同士のやりとりを行うような授業スタイルをオンライン授業で行う際にSlackを活用できるのではないかということを書きました。もちろん,リアルタイムチャットとはいえ,教室でのやりとりとは全く異なるやりとりの形です。対面授業と全く同じものをオンラインでも再現しようと思うと,それは土台無理な話です。よって,対面授業とは異なるけれども,その中でも学習者同士がやりとりできる場を確保するにはどうしたら良いのか,という観点で授業の設計を考えることが大事だと思います。その際に,特に使い慣れていない方にはかなりハードルが高いかもしれませんが,Slackは一つの選択肢として語学の授業に活用できるのではないかと思います。私が見ている限り,現在ウェブ上にたくさん公開されているオンライン授業のやり方やツールの利用については講義型や少人数ゼミ形式の授業が念頭に置かれていて,語学の授業についてはあまり情報がないように感じたので,この記事が語学の授業を担当する方々の参考になれば幸いです。

他にもSlackを使われている方のご意見や,こんな使い方もあるのではという情報があればコメント欄にどしどしお願いします。私も実際に授業に実装することになれば,学生に配布するSlackの使い方を説明した資料等をこのブログにアップして共有できるようにしようと思っています。

なにをゆう たむらゆう。

おしまい。

注1. Slackの使い方説明については,オンラインで同期型のチュートリアル的なことをやることも考えましたが,おそらく学生はスマホでそれを視聴することになります。そうすると,同じデバイスでSlackの操作をするので煩雑でしょう。全員がパソコンの画面を見ながらスマホ操作できるのであればまだしも,そうではない可能性を考えたらせいぜいが動画を挙げて見てもらうので良いのではと思っています。オンラインでのチュートリアルはわからなかった時にその場で聞けることだと思いますが,人数が多ければ一人一人への対応も難しくなります。資料は各自見てね,ということにしておいて,時間帯を決めてこの時間はリアルタイムでトラブル対応しますので連絡くださいってことでいい気がします。

2020/04/12 追記

donutは1つのチャンネルに24名以下でないと全員のペアリングがされないことがわかりました(今まで24名以下のクラスでしか使っていなかったので気づいていませんでした)。そこで,他にも同じようなことをしてくれるbotを探して,以下のようなものがあることがわかりました。

基本的な仕様は同じみたいですが,donutほど設定の融通が効かないですね。上記3つだとShufflが使いやすそうだなと思いました。

2020/05/06 追記

実際に授業でやってみての課題とかを書きました。こちらの記事もご参照ください。

Slackを授業で使ってみてわかった課題